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2018.01.14

「幼な子われらに生まれ」

もちろん、いうまでもなく、いい作品。
離婚した元妻の旦那が危篤で、子供に引っ張られて見舞いに行った場面では泣けます。こいついい奴だなと。

大人も、子供も、それぞれの繋がりの形や強度があって、それをきちんと描き分けていることが、良作だなあという実感を生み出していると思います。

さはさりながら。

これを見ていると、我々がいかに核家族というものに囚われているかということが、強く思い起こされて、微妙な気分になるのです。

主人公の再婚した妻がまさにその象徴。その元夫がやさぐれる気持ちもなんとなくわかってしまうところに、自分の危うさというか、核家族を中心にしたイメージとの齟齬を感じてしまいます。

我々はこんなに核家族というものに縛られていたっけ?という。

多くの人が薄々それに気付いているからこそ、少子化がここまで進行したのではないかなと思ったりもして、何かこう喉元に突きつけられるものを感じたりもします。

良作なんだけれども、素直に見られない、そういう気持ちです。

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2018.01.07

「キングスマン:ゴールデン・サークル」

つまらなくはないし、独特のテイストがあると思うし、アクションシーンのテンポによさといったら、前作同様なかなかのものだけど、なんだかこう、引っかかりがないというか。前作もそうだったけど、記憶に残らない。不思議と言えば不思議。

このシリーズは人がどんどん死ぬ。敵も味方も面白いように大量に死ぬ。そういう題材だからといえばそれまでなのだけど。

案外、そういう点にリアリティの無さを感じて、無意識のうちに記憶から追い出してしまうのだろうか。

よくわからない。

スタイリッシュにしようとした結果、ご都合主義に嵌まってしまっているのかもしれない。

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2018.01.06

「嘘八百」

東京のたこ焼きと大阪のそれとの違いは、たぶんダシにある。大阪のは隠し味があるのだ。

笑いもそうなんじゃないかと時々思うことがある。笑いの中に味わいがあるかどうか。どんな味を添えて、どう盛り付けるか。その巧拙が問われる。とわかった風なことを言う。

本作は、その視点で見ると、なかなかいい出来だ。笑いをまんべんなくまぶしながら、物語に骨があって筋が通っている。最後の締め方もいい。

中年から年配者は思わずにやりとするところがたくさんあるだろう。
若者絡みの部分はわざと質を落として、青臭さの演出も抜かりない。

初笑いに好適な一本でした。
こういうの見ると、邦画もいいよなあと思う。

もちろん、東京には東京の良さがあるとは思うけど、味わいではいつも歴史の深い西の方に一日の長があるかなあと思います。

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2018.01.02

「アランフエスの麗しき日々」

正月にとっておいた、ヴィム・ヴェンダースの小品。
しかし小品というのはあくまで、製作費とか宣伝の派手さとかを基準にした言葉。観てみるとずっしり見ごたえがあってすごい。

原作があるそうなのだけど、それを差し引いてみても、作品を作るときに考えていることをさらけ出したように見える。画家がスケッチブックやアトリエを人に見せるような感じというか。

だから、映像的な技巧は最小限で、ほとんど台詞と少しのカメラワークだけによる構成。

ヴェンダースの作品はここからはじまって、これに肉付けしていって出来上がるもの、とでもいうような原初のかたち。

ヒトの神性について語る場面もあれば、ロマンスと愛憎を吐露するパートもあり。はじめは女の視点から、ところどころ男の視点から、それぞれの述懐があり。楽園追放のような、あるいは青い鳥のような回帰への願望があり。

最後は、あれは何を意味しているのだろう。少しだけ、現代社会がそれとなく目指し始めてしまった不気味な未来を示唆しているのだろうか。

「あるいは最後の夏かもしれない」


ともあれ、エラいもの見てしまった。

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2018.01.01

「ガールズ&パンツァー(GIRLS und PANZER) | 最終章第1話」

そうだ。元旦に見たのだ。忘れてた。
元旦だからといってガンタンクは出てこない。

「ガルパンはいいぞう」という謎のつぶやきがずっと気になってはいた。しかし今日まで見ることもなく過ごしてきた。

で見てみると、なんだ面白いじゃないか。
話のテンポもいい。

なんといっても戦車がたくさんでてくる。
消防車や新幹線もいいがやはり男の子は戦車だ。

そして搭乗人物は全員JKだ。
この戦車とJKの不適合を埋める理論が「戦車道」だ。

さわやかだなあ戦車道。

そういうわけで
いいぞうガルパンは。

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2017.12.26

「オン・ザ・ミルキー・ロード」

寓話なんだけどね。
なんだけどね。

そんなに上手い技巧じゃないんだけどね。
ないんだけどさ。

すごく引っ掛かるんだよね。
それでこの監督さんの来歴を読むと、嗚呼・・と思うのよね。

この「オン・ザ・ミルキーロード」の最後は、戦争の跡にひたすら手で石を敷く作業を続ける男の姿なんだよね。

砕け散ってしまった彼の祖国は、もうたぶん一つに戻ることはないのかもしれないんだけどね。

「アンダーグラウンド」はまだ見ていないけど、どこかで観ないとな。

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2017.12.23

「フラットライナーズ」

スリラーというよりは罪と赦しのお話で、解決が割とお手軽で最後はほんわかした。といっても発案者は結局あの世へ行ったわけだけど。

怖いのはむしろ医者になるための修行の方。勉強はもちろんだけど、ミスが人の命に関わるあたりの責任の重さの方がよっぽど怖いです。

この作品はその怖さをホラー仕立てにしたような趣といえば、だいたいあっているだろうか。5人の若者のうち一番老成して、唯一フラットライナーにならなかった男が、恋人に言う台詞「もしそうなら君は医者になるべきじゃない」がにくいです。

それで最後に、赦しの話にもどってきて、大切なことを言う。そこは気付きにくい盲点で、さすがキリスト教圏の作り手は目の付け所が違うなと。

JUNOがよかったエレン・ペイジさん、大ブレイクはしないけれど堅実な女優さんになってきてますので、このままあちこちでお目にかかりたいです。

ざっとそんな感じ。

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2017.12.16

「スター・ウォーズ/最後のジェダイ」

http://starwars.disney.co.jp/movie/lastjedi.html

だいたいですよ。スターウォーズっていうのは、NHK大河ドラマみたいなもんなんですよ。評判を聞いて見に行く行かないではないのです。まず見る!それからあーだこーだ言う。

というわけで夜10時半の回を待っているわけです。
取り急ぎ。


うお特攻や特攻や!
うん。まあルークはだいたいそういうやつだ。
スノークとかいうのはどうもいまいちだったけどやっぱり間抜けだった(笑)

ストーリーが無いのがスターウォーズの特徴だしまあこんなもんかな。

でも、え?君いまその箒どうやって手に取ったの?

ということでうーむ。少なくとも傑作とかでないことは確かでした。三部作の三本目は、庶民の出であるレイが、血統書付きのベンに勝って終わるんだろうな。勝ち方が問題なんだろう。

んで、そういう話はローグ・ワンで中心的に扱うべきだった。

いやーワタクシ的にはいまいちです。

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2017.12.13

「DESTINY 鎌倉ものがたり」

平安時代から続く転生で繰り返される縁(えにし)とか、どういう少女漫画な設定なんですか。でも良いので赦します。

鎌倉にそんなオカルトな空気はむろん無いと思うけど、主人公の彼女は最初っからあやしい。河童か座敷童にしか見えない。変な骨董品にぴぴっとくるみたいだし。

その彼女がまあいちいち可愛らしい。新妻の姿態全開です。堺正人の旦那とお似合い。それだけでほっこりしますね。良いです。

そんないい関係の夫婦なんてそうはいないと思うのは我々の僻みです。良いなーと思いつつ日常を改善するお手本にしましょう。


さて、愚にもつかない感想を連ねるのはこの辺でやめにして、この作品で一番よかったことを言います。主人公夫婦のほっこり感でもなければ、奥様の優しさでもなければ、貧乏神の恩返しでもなければ、亡くなった編集者転じた魔物の漢気でもありません。

最も良かったのは、悪役の天頭鬼が、如何にも悪役らしい悪辣さで主人公を苦しめたにも関わらず、夫婦を捕らえるのに失敗し逃がしてしまうときの、「ああ、また行ってしまうのか~」という悲痛な嘆きです。

普通、悪役というものはここで、恨みつらみを言ったり、罵声を浴びせたり、何かに八つ当たりしたり、地団太を踏んだりするものですが、彼、天頭鬼は、ただただ、悲しみを露わにするのみなのです。

なんという人間味のある魔物でしょう。
彼もまた、この鎌倉という、人と魔物が隣り合って生きている世界の一部なのです。決してそれと対立するものではありません。

この一言で、世界がぐっと広がる感じがします。歴史がぐっと凝縮される感じがします。

グザヴィエ・ドランはそれを、登場人物に画面サイズを押し広げさせることで表現したわけですが、そういった技巧に頼らなくても、練り上げた物語の文脈の頂に、一言を投じるだけで、それは実現できるのです。

良いですね。この作品は。

能うなら、彼、天頭鬼にも、幸が訪れるとよいですね。

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2017.12.10

「KUBO/クボ 二本の弦の秘密」

いやもうね。
ファンタジーの王道。しかも心にしっとり沁みるストーリー。「コララインとボタンの魔女」以来の久しぶりのLAICA作品。力作です。

アメリカ人にも、こういう繊細で美しいものを作れる人たちがいるのかと思うと素直に尊敬します。

なにより、日本という国を、エキゾチズムの文脈ではなく、こんな風に取り上げてくれて本当に嬉しい。
私は古いタイプの人間なので、こういう話にはぐっときます。

映画としてもしっかりした組み立ての良作。ストップモーションとは思えないなめらかな動き、情感の滲み出ている表情。

ディズニーが取り上げて世界中で上映しても、全然おかしくないどころか、たいがいのディズニー映画より評価は高いはず。

言うことなしのワタクシ的本年ベスト3です。

こんないい作品が今週でおしまいなんて、すごく残念。
時間のある人はぜひ見に行ってください。

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