「ウォーフェア 戦地最前線」
https://a24jp.com/films/warfare/
案外あっさりした作りだった。ドキュメンタリーに近い感触。
激昂する人間もいないし、べたついた人間ドラマもなく、お涙頂戴場面もない。
淡々と、市街地のゲリラ戦のような待機と準備と戦闘がある。語弊があるかもしれないが、戦争というともっと激烈なものという印象があったけれど、少し違っていた。淡々とただ爆発が起き人体がひとつ四散する。
現代の戦争/戦闘が情報戦だということはよくわかった。米軍は常に空から現場を監視し奇襲を防ぐ。常に連絡を取りあい有利な陣形を取る。情勢に応じて空から必要な支援がある。
無敵の戦術のように見えるけれど、随分杜撰に見えるところもあった。そもそも隠密の狙撃作戦だったはずが、夜中にハンマーで壁を叩き壊して大きな音を立てるなど考えられないし(他の出入り口があるだろうに)、民家の働き手が仕事に来なければ、あるいは子供が学校に来なければ、外部から何か連絡があるだろうに、作戦がそれを考慮しているとは見えなかった。そもそも、朝になってもこの住宅だけ人気が感じられない時点で、周辺住民は不審に思うだろう。
現場の兵士は何も知らされずに命令通りに動くだけであることが、こうした杜撰さの原因なのかもしれない、などと思ったりもする。
ウクライナ関連で時折耳にする歩兵戦闘車というものは初めて見た。小型の戦車のようなもので、攻撃よりも歩兵の安全な移動に重点を置いているようだ。それでも小火器に対しては圧倒的な火力を持っていて、撤退時にはその力を見せつけて幕をおろした。砲撃された民家の壁が傷一つなく煤で汚れただけというのは、まあ映画だし、御愛嬌だろう。
本作が描いているのは2006年時点のことだそうだから、既に20年も昔の光景ということになる。ウクライナでは戦争の新たな形態が開発されているそうだから、今の戦地最前線はまた違った景色になっているのだろうか。
それにしても人間とは懲りずに愚行を繰り返す生き物だという感想だけでした。
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