「旅と日々」
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つげ義春という作家の名前は子供心に知っていたけれど、読んだことはなかった。ちょっと大人の本という印象だった。本作はその作家の2作品をつなげてみたものだそう。
出だしの印象はよくない。まるで学園祭に出すために中学生が一生懸命撮りました。リビドーっていうのを本で読んだので、といった風だ。でもその理由は程なくわかって、なーんだという気持ちになる。それで、身構えていたこちらの気持ちもほぐれる。
後半は雪国の景色に移る。トンネルを抜けたときの開放感、異国情緒が素晴らしい。目が洗われるようだ。あとはもうじっくりと、雪深いひなびた温泉街のはずれにあるボロ屋の生活感にひたりながら、そのボロさと対照的な、雪がつくる風景の冷たさと美しさを味わって、炉端や古びた家屋や訛りの強いくぐもった声やの温もりを感じていく時間になる。
見終わってみると、最初の違和感はすっかり消えて、自分がいかに近代空間に慣れて取り込まれているかを実感する。何か懐かしいものを見たような気分になれる、近頃貴重な一本かもしれません。
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