« 「入国審査」 | Main | 「劇場版モノノ怪 第二章 火鼠」 »

2025.08.15

「サンドマン2」後半

https://www.netflix.com/title/81150303

2の前半は、父と子とのすれ違いの歴史と、父の息子への愛を、そして愛ゆえに身の破滅を招く掟破りを描いて、神にも等しい力を持つ父なるサンドマンの葛藤と苦悩を滲ませた。

そして完結編となるこの後半では、今度はエンドレス達を生み出した父と母、タイムとナイトを登場させる。悩めるサンドマンは彼らの元へ赴き事態打開の方法を探るが、法を守りながら運命を逃れる道はないと暗に宣告される。それまで、運命は必ずしも一つではなく行動によって道は決まっていくと示唆され揺れ動いていた彼の心も、このときを境に微妙に変化したように見える。諦念だろうか。これまでは親の立場だったサンドマンが子の立場で考える場面となった。

結局、彼は自らの責任感から逃れることはできず、それが故にエンドレスー永遠の命ーに別れを告げることを密かに覚悟したのかもしれない。

残された時間で彼の成すべきことは、夢の王の地位と責任を継ぐ後継者を立て、自らの死に様を決めるだけだ。後継者の発現にロキの力を使い、紆余曲折はあったものの最大の伏線はみごとに回収された。しかしそれが理由で後継者の母の復讐心の的になり、復讐の三女神にまんまと乗じられることになる。

夢の世界に閉じこもっていれば、さすがの復讐の女神も手が出せないが、そこで事情を理解していない妖精の世界から最悪のタイミングで召喚され、ついに夢の世界の崩壊が始まってしまう。

このままでは、永遠の存在であるエンドレスすらも復讐の女神には敵わず命を奪われる事例を作ってしまうことになる。しかし、彼にはこれまで培ってきた多くの信頼と味方があり、Deathという慈悲深く義務に忠実な姉もいた。復讐の女神が遣わした破壊の化身を妖精の国の友が倒すことで、三女神は夢の国から消え失せたあと、サンドマンはデスの手を借りて自らの生に終止符を打ったのだった。

書いてみると文章が下手ということもあって、なんだかありきたりのお話に聞こえてしまうのだが、映像や台詞の行間に込められた様々な想いが去来して、お腹いっぱいです。

この作品の面白さは、出来合いの神話とは異なる、概念を抽象化したエンドレスという7体の存在を生み出したこと、その7体がそれぞれに名前に由来する領域を持ち管理していること、そしてその7つ、Destiny (運命)、Death (死)、Dream (夢)、Destruction (破壊)、Desire (欲望)、Despair (絶望)、Delirium (譫妄)が、人間的な感情を持ち、人間世界に干渉することで物語を紡いでいくことにあると思う。この7つの概念の設定が、ありきたりではないのも面白さの理由かもしれない。そもそもDreamというのが一風変わっているし、人格を持ったDeliriumとか、普通の神話にはあまり登場しないだろう。

印象に残る台詞もたくさんあって、長く思い出す作品になりそうです。

|

« 「入国審査」 | Main | 「劇場版モノノ怪 第二章 火鼠」 »

映画・テレビ」カテゴリの記事