「ガール・ウィズ・ニードル」
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戦争は悲惨だということは言葉にしてしまえばそれだけだが、実際どれほどの恐ろしい淵を招き寄せるかは、体験しないとわからないことなのかもしれない。本作のような緻密な映画は現実味を帯びた虚構の世界を通じてその一端を見せてくれる。
数え上げただけでも種類の異なる悲惨が4つ5つと本作には詰め込まれている。しかもそれが玉突きのように因果を辿りながら最大の悲惨に向けて進んでいくのだ。見る側は予測不可能なその進行を息をつめて見守るしかない。
その最大の悲惨を体現する女が比較的早い段階で現れる。困窮する人を見捨てておけない親切な人間として描かれ、実際にそういう性分なのだろうと思わせるエピソードもあり、こちらはその善性を信じかけるのだが。。
戦争の悲惨とはまさにこれを言うのだろう。環境が悪を成さざるを得ないところまで人を追い込むのだ。同じ環境でもそうならない人もいるという反論は気休めに過ぎない。誰でもこの女のようになる可能性がある。神を試すなかれ。
絶望的な結末を迎えたまま、主人公もこの地を去り、暗い気持ちで席を立つのかと思った最後に後日譚があり、ささやかな修復が実践される。光差すその短い一遍がみごとで、そこまでの不穏な気持ちが穏やかなものに変わります。最後に救われました。
深い物語を紡ぎ出す映像が見事です。
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