「罪人たち」
https://www.warnerbros.co.jp/movie/o596j9bjp/
出だしは、アフリカ系アメリカ人がエンタメビジネスで成り上がっていくお話のように始まるけれど、途中から音楽というものの魅力と魔性のような話に変わっていく。それに引き寄せられる人ならざる生き物の振る舞いは従来型のお約束で固めつつ、彼らを人間以上に理性ある存在として描くことで、魔性はむしろ音楽そのものに宿っていることを浮きあがらせているように見える。
プロスポーツに詳しくないので、マイケル・ジョーダンがどうのという話はよくわからないけれど、俳優としての彼が作品の足を引っ張らず、かつ出過ぎもせず、ぴったりとこの魔の物語にはまっているのはたいしたものだと思った。
本作には後日譚が付いていて、そのおかげでずいぶん印影が濃くなった。そして仕上げに、若かりし頃の主人公が無心に演奏する姿を持って来て、爽やかな仕上がりになった。途中は、摩人たちとの血みどろの闘いで魔性全開だったけれど、この締めのおかげでさっぱりした風が吹き抜けていった。音楽というものの二面性をたっぷり見せたあとで、良い面を出して締めくくる、なかなかよい作品でした。
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