「かくかくしかじか」
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永野芽郁という女優さんが生き生きしていてとってもよかった。不倫とかなんとかはよく知らないし、まあ芸能人の話だしな。
加えて、大泉洋が「描けーっ」としか言わないのもナイス。頑固親父のような役回りだけれど、彼の基本が暖かいのが言われなくても伝わってくるので、たいへんよい味わいになって、感動のラストシーンにつながっていく。
話の展開や心情描写は、クリエイティブな職業を取り上げた映画のよくありそうな定番だけれど、どんな部分に焦点を当てるかで受ける印象は随分違ってくる。「セッション」のような狂気の展開と違って、本作の師弟の関係は基本が暖かい。そして、師弟の対決ではなくすれ違いの機微を取り上げている。その上で、師が望むのとは別の道で大成していく弟子が、師から学んだものは無駄ではなかったことを述懐するラストシーンがとてもよい。
主人公がスランプのとき、付き合っている男から、人間観察をずっとやっているから、きっと漫画家になれると励まされるシーンがある。あの職業には、絵の上手さに加えて話のうまさも必要だということが一言で伝わるシーンだった。
「ちびまる子ちゃん」の緩い毒気が、さくらももこさんの子どものころからの演芸場通いに由来している(たぶん)のと似て、わりと大切なことなんだろう。
途中、怠けたりさぼったりの時期も描かれていて、その等身大な感じに和める作品でした。
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