「ミッキー17」
https://wwws.warnerbros.co.jp/mickey17/index.html
この作品がこんなに話題になるということは、自分は雇用主に使い捨てにされていると日頃感じている人がそれだけ多いということなんだろうか。という爆弾発言をしてみたくなる(笑。
まあ作り手はそういうところをあざとく狙っている感じはする。
映画作品としては、少し取りとめがない印象を受ける。使い捨ての描写は面白いけれど、それが話の展開に直接関わっているかというとそんなこともなさそうだ。それに所謂負け組どん底である主人公がなぜか女性にモテモテというのも不自然だ。司令官を自称する男が虚栄心を満たすために危地に進んでいくというのもとってつけたようだし、一体何を考えているのだろう。異星の原生生物にいたっては物語に何の貢献もしていないように見える。というか、単なる材料だ。
いろいろあげつらってみて、ふと気づくのは、これは2025年4月上旬現在、世界で進行中の笑えない現実を思い切り笑い飛ばそうとしているのではないかということだ。たしかに暗喩として見るとあれもこれもいろいろ符合するところがある。この戦略も戦術もない無軌道さは、こうして笑うことでしかやり過ごせないほど酷い。
クローンものということで、そのジャンルの最高傑作だと密かに思っている「月に囚われた男」の続きを見られるかと期待したのだが、どうもそれとは別の路線だったようだ。
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