「アノーラ」
https://www.anora.jp/
見終わって頭に浮かんだことを胸に公式サイトを見たら、考えたことそのまんまが小見出しになっていて苦笑いしました。つまり、わかりやすい映画ということなのでしょう。シンデレラは言わずもがなの玉の輿映画だけど、本作はそれに失敗する物語。その失敗の後の最後のわずかなシーンに込められた真実味は、そこまでの虚構を下敷きにした圧倒的な存在感があります。
そしてこの新進の女優さんのエネルギー! 映画の登場人物というのはどうしても取り澄ました感じを纏ってしまいがちだけれど、この人はそこを突破しています。「ナミビアの砂漠」の彼女と同じ感じ。これを演技でやるのだから凄いです。
物語の背景にロシア移民社会があるのも味わいです。米露の対決の時代から世の中は大きく転回して、いまは金持ちとそれ以外との対立の時代。ロシアにも同じような構図がある。そこを絶妙に掬い取っていますね。NYのブライトン・ビーチというのはロシア移民の多い地域の南端にあるそうで、「ロボット・ドリームズ」にも出てきました。ブームなんでしょうか。
壁に挑戦してはじき返されたアノーラの悔しさとエネルギーにじんわり暖かくなる、アカデミー賞受賞も納得の作品でした。
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