「アンデッド/愛しき者の不在」
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ゾンビもの映画は、元人間がゾンビに変わった瞬間から人間の不倶戴天の敵になる。まだ人間でいられるうちは、ゾンビが元誰であれ、可能な限り早くゾンビを打ち倒さなければ自分がやられる。その凄まじいストレスが、これまでのほぼすべてのゾンビ映画の基本だった。もちろん「ウォーム・ボディーズ」のような例外的な傑作はあったけれど。
本作はそこをスローダウンしている。緊張感はあるものの、ひょっとしてこのゾンビは人の世界に戻って来たのでは、あるいはそれが可能なのでは、と思わせる微妙な境界線上をゆっくりとたゆたっている。
その間、周囲の人々は様々に思い悩み、一抹の希望を胸にそれぞれに行動する。その心の裡を想うと居たたまれない気持ちになる。見ている方も、ひょっとしたらという希望を共有する。
けれども、生きとし生けるものは全て、死すべき定めを負っている。枉げることはできない。
本作はその定めを、格調高く、美しく謳い上げている。三組の当事者たちの中で、とりわけ、小さな子を喪う母の哀しみと別れの言葉は胸を打ちます。
内容に呼応した音と音楽の使い方が素晴らしい、長く記憶に残るだろう作品でした。
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