「憐れみの3章」
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原題の"KINDS OF KINDNESS"は直訳すれば「優しさの種類」くらいなんだろうか。タイトルの付け方といい、内容といい、考えてしまうと難解になりそうだ。優しさとか憐みとは違う何かが横溢している。
ということで、直感的にまとめてしまうことにする。
第1章は組織に順応させられる男の話。普通の人としての倫理観に反する行動を強制され、何かに従属していなければ不安でたまらない気持ちを利用されて、人を捨てる代わりに安堵を得る、そういう平凡な人間の話だ。
第2章は、これはちょっと難しい。周囲の常識良識に惑わされず、何が正しくて何が間違っているかを己の直感だけで強引に決めてしまう男の話・・この男に対する疑念と不信が最高潮に達したその直後、最後の瞬間に仰天します。これはちょっと凄い。
第3章は奇跡のような何かを探し求める集団に属する女の話。さんざんな苦労を続けてきても見つけられず、つまらないつまづきで心身を捧げて尽くしてきた集団から見捨てられ、藁をも掴む気持ちで手繰り寄せた手掛かりが、ついに探し続けてきたものだとわかったときの言葉にならない歓喜。そのあとすぐに訪れる些細な齟齬で、その奇跡が手の中をすり抜けて永遠に届かないところへ行ってしまう、絶望?喪失感?これは言葉にならない絶妙さがある。
* * *
3話通して見終わると、人間というものがいかにその場の空気に支配されやすい存在かということが痛いほどよくわかります。
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