「ボストン市庁舎」
https://cityhall-movie.com/
同じ監督の「ニューヨーク公共図書館」がわりとよかったので、これも見て見ようと思ったわけです。2時間くらいなんだろうとなんとなく思って行ったらなんと4時間半。
疲れました。
内容はまあ、市役所の仕事なので、日本とそれほど違う印象はなかったのですが、やはり移民問題と麻薬関係はちょっと違っていました。
市長自身もアイルランド系移民の子なのですが、その市長がラテン系移民の市民代表たちとのミーティングで自分の先祖の話をします。1900年頃はアイルランド系は「犬」と呼ばれ社会の最下層だったと。それで自分の祖父たちは政治の場に少しづつ代表を送り込んで自分たちの要求が通るように一歩一歩進んできたと。それをやれと、ラテン系の人々に向かって熱く語るわけです。驚きました。これがアメリカかと。
あるいは、都市開発のときに必ず持ち上がる立ち退き問題については、市の担当者が内部ミーティングで、民族ごとに蓄財の方法も違うことからそれぞれの民族ごとに異なるアプローチをする必要があると説明していました。日本ではちょっと想像できないような課題があるのがわかります。
麻薬については、合法化された大麻の店を、再開発のショッピングモールの中に作るという案件が取り上げられていました。中国系の開発業者が、市の規定に基づいてやっているんだという趣旨のことを高圧的に言い募っていました。アジア系と黒人系とのいがみ合いのようで、見ていてちょっと嫌な気分になります。
他の、福祉系や社会保障系の話は、日本と似たような構図ですが、やはりここにもルーツの異なる人々の軋轢があります。
ここの市長は民主党系で、トランプ大統領の4年間を窮屈な思いで乗り切ったのでしょうけれど、差別が多く残っていると言われるボストンで、それなりの実績を上げたようです。締めくくりは彼のスピーチでしたが、その自負と気構えが見えるような良い演説でした。
さて、11月の大統領選まであと2か月ですが、あの国はどうなりますことやら。