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2024.06.05

「陰陽師」

https://www.netflix.com/title/81215624

実写映画もあるようなのだが、NETFLIXのアニメ全13話の方を一気見した。原作は夢枕獏の小説で、昔読んだ気もするのだが忘れてしまった。今では少女漫画やアニメの方がよく知られているような気もする。

前半は呪にまつわる短いエピソードが中心で、後半は鬼の話。善悪とか人と神などとは異なる体系で、一神教を基盤にした話よりも自分には馴染みやすい。

鬼というものを人と対置するのではなく、人の一部が変化したものだと捉えるのが特徴だろうか。人の心の裡に潜む悪しき思いが外面の変化を伴って露出してくるのが鬼というわけだ。

安倍晴明を陰とすれば、対になる陽には源博雅という人物を置いて、この構図の元にお話しが展開する。それだけでもたいへん面白い。連綿と連なる13話の最後に向けて、清明の兄弟子やら強力な野良陰陽師やらも入り乱れてクライマックスに向けて盛り上がっていく。

完璧な陽の気を持つかのように繰り返し描かれてきた博雅が、鬼と化した笛の師匠と対峙して、自分にも鬼の心はあると述懐し、ついに鬼にかかった呪が解けるのがとてもよい。同時に、話の筋と歩調をあわせて進む清明の危機と復活、人の生死を司る泰山府君という神様を、自分のコピーを使ってペテンに掛ける清明のふてぶてしさ、真の名前をライバルの陰陽師に渡して協力を得る豪胆さなどが絡み合って、最高の締めくくりでした。

話の展開が凝っていて、要所々々ではっとさせたりほろりとさせたり、実に上手い。こういう作品好きです。

ところで、源博雅は実在の人物だというのは、今回検索してみて初めて知りました。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%BA%90%E5%8D%9A%E9%9B%85
広がりがあってよいですね。

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