「首」
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野心とその報い、みたいなお話。もうね、次々死にます。
予告編で秀吉が「俺が天下取ったらあいつらみんな消えてもらう」と言っていたのは、信長や光秀や家康のことだと思っていたら、なんとまあもっと身近な人間たちのことでした。それがきっかけで、この作品は彼らの野心に焦点を当ててるのかなと思いましたのです。
この監督は、武士のような生まれつき地位や名誉のある人間たちが抱く愛憎や野心については否定的で軽蔑しているのだろうと予想していましたが、それだけでなく、農民のような底辺の人間の野心についても一様に否定的だということを、秀吉の言動を通じて言っているように見えました。その秀吉はといえば誰よりも強い野心の持ち主だろうのに。
光秀を討伐するにあたって彼が示した褒美が金銀だというところを見れば、人間の動機なんてより多くの金目当てに過ぎないだろうと言いたいかのようです。事実そうだろうと思ってはみても、あんまりいい気分はしません。
おっさんたちの男色がそこかしこで挿入されていて見ているのも気分の悪いものです。ひょっとすると昨今流行りのアレをこれでもかと糾弾しているのかもしれません。
最後は唐突に終わります。まるで話は打ち切りだみたいな。あれでいいんですかね。