「PLUTO」
https://pluto-anime.com/
アツい!この作品はアツいです!
原作は手塚治虫の「地上最大のロボット」。それを浦沢直樹が漫画にしたのが「PLUTO」(読んでない)。細かい技術の話などを越えて、これは作り手のものすごい熱量を感じさせる。それにアテられて一晩ぶっとおしで見てしまいました。
映像作品としては台詞が多いですが、漫画というのは実は台詞で構成されていると私は思っているので、漫画を原作とする本作がこうなるのは違和感ありません。むしろゲジヒトの活動を縦軸として通し、連なる各ロボットたちのエピソードをオムニバスのように並べて少しづつ重ね合わせた、浦沢直樹の骨太な構想力にぐっときます。
人間かロボットか区別がつかないほど発達した世界最高峰のロボットたちが見せる、人を凌ぐほどの強い感情の動きが、見る側の先入観を浸食して、ロボットも普通に喜怒哀楽があるものだと思わせていき、それを土台に人間ドラマ(というかロボットドラマ)を展開します。本作はロボットどうこうより、憎悪と復讐を中心に据えた人間ドラマであるところに価値があります。
そこに、ロボットの超絶パワーで可能になる派手なアクションを被せていきます。これで面白くないわけがない。
節目で絡んでくる影の主役、天馬博士のマッドぶりと、その背後にある深い悲しみに打たれます。あの天馬博士が滂沱の涙を流して顔をくしゃくしゃにして泣くなんて。
中東で均衡が崩れておかしなことになっている今、ちょうどこのタイミングで配信が開始されたのは、もちろん偶然でしょうけれど、それにしても本作のテーマがあまりにも現在の世界の在り様にマッチしていて、そら恐ろしくなるほどです。
大人が見て、物を想うべき作品でした。