「トロール」
https://www.netflix.com/title/81245455
NETFLIXで。
怪獣映画の小品という趣。舞台がフィンランドというところがちょっと目新しい。ゴジラ映画が世界中の好き者たちを刺激して地域に根差した神話や伝説を巨大な怪物の話に仕立てる動きなんてものがあるのだろうか。
トロールが首都オスロを目指してくる理由というのが意外性があってちょっと面白い。日本の怪獣映画でもこういう設定はあったような気もする。
人間対怪獣という構図は文明対自然の比喩なのはもちろんだが、本作では文明=キリスト教、自然=それ以前(北欧神話ほか)という要素がもう1枚加わるようだ。キリスト教化というものが現代にもテーマとして存立していることが少し窺える。
少々人間のご都合主義が目立つ脚本で、そこはまあ人間世界で語られるのが前提だから仕方がないのだが、自省の念というものが日本人より弱い気がする。結局文明を捨てることなどできはしないのだが、それを開き直るか忸怩たる思いに耽るかの違いかもしれない。
暇なら見てもいいかくらいなのでお勧めはしません。