「ノット・オーケー」
NETFLIX シーズン1全7話
どうも気になると思って見てみたら、「このサイテーな世界の終わり」のジョナサン・エントウィッスルが製作総指揮です。道理で引っ掛かるわけだ。
どちらの作品も、外国人の目に映るアメリカの上澄み1割ではなく、それ以外の大多数の田舎住まいのマイルドヤンキーを描いているところが共通しています。といっても、そこは映画なので、マイルドと言うには少々逸脱していますが。
生まれた土地を離れることもなく、高校生活が人生のピークであるような生き方を、批判的に見る眼差しがこの作り手にはあり、それが物語を駆動する力になっているように見えます。
このシーズン1は序章として作られていて、本領はこのあとのシーズン2以降で発揮されるはずだったそうですが、コロナ禍でその計画が打ち切りになってしまったのは、まことに残念です。この7話だけでは、少し思い切りの足りない未完成品にどうしても見えてしまいます。
「このサイテーな・・」のアリッサ(シェシカ・バーデン)は鋼の精神力で強烈な印象を残しましたが、本作の主人公は、妙な超能力を持っているものの、本来は気弱で傷つきやすい陰キャのようで、話が途中で終わっていることを割り引いても、印象が薄いままでした。アリッサのような人間の普通の強さを描かずに、超能力という小道具に頼ったのが裏目に出たように見えます。
これにめげずに、また面白い物語を見せてくれると嬉しいです。