「ザ・ロストシティ」
予告編を見ると確実に見る気が無くなる映画なのに、先行している米国ではそれなりに人気があるらしい、というので気になって衝動的に見てみた。
予告編での登場人物たちのかっこ悪さは、実はそれこそが狙いだということが程なくわかった。そこから、かっこ悪い普通の俺たちはどういう風に恋愛したらいいのか、てなことへと繋がっていく。予告でもその存在が不可解だったブラッド・ピットは、従来型のイケメンマッチョな主人公像を否定して見せるための、いわば当て馬。なるほど道理で浮いていたわけだ。
インディー・ジョーンズ以来の宝探しでは、財宝は物理的に存在して、その争奪がお話の山をつくってきたわけだが、本作ではその代わりに、ロマンティックな種明かしを持って来ている。いま風でよいんじゃないでしょうか。
特にお勧めするほどではないけれど、時代の変わり目にふさわしい普通ぶりでした。