「空挺ドラゴンズ」
NETFLIXで。シーズン1全10話。
ずっと気になっていて、まとまった時間がやっととれたので見た。とてもよい出来で、満足度が高い。
ロードムービー+料理番組風の味付け+青春群像劇で、背景世界はファンタジー。
捕鯨を下敷きにして、鯨をファンタジーの龍(と呼ばれる奇妙な生き物)に置き換えているのだけど、これがとてもうまくいっている。大海原は大空に、武骨な捕鯨船は空飛ぶ捕龍船に、雄大な鯨は天翔ける龍に。想像力を目いっぱい刺激してくれます。特に龍をステレオタイプに囚われずに海生生物風の多様な形態で描いているのが素晴らしい。
お話の展開もよく出来ていて、単に勇壮な捕龍の様子だけでなく、地上の人間社会との関わりにも触れている。その上で、人間社会に居場所がないと感じた若者たちが一つの船に乗船し「おろち(龍)獲り」というドラマティックで本源的な職業に魅せられていく。
全編を通して、食物連鎖の中で生きることへの気取らない決意、歓びと畏れとが描かれていて、力強い作品でした。
冗長さを抑制して快適なリズムで仕上げているところもよかった。