「パーフェクト・ケア」
これもギンレイホールで。
ケア産業の法律と制度の悪用、という言葉がぴったりくる。他人を食い物にしてのしあがるとはこういうことかと戦慄する。もちろん、実際には様々な歯止めがあって、そううまくはいかないのだろうけれど。
餌食になるのが一般人のうちはよかったが、ロシア・マフィアの身内を嵌めてしまったことから逆襲をくらう。勧善懲悪的な見方からは快感だが、なんと話はそこで終わらない。主人公の女の怪物ぶりがめりめりと音を立てて現れてくる感じ。驚きました。
逆にマフィアの親玉に見込まれて資金提供を受け、そこからは絵に描いたような成功物語。その絶頂で、報いを受ける。
勧善懲悪から因果応報の物語へ。伏線は最初から張られていた。やっぱり悪いことはいつか破綻するものだという、なんだか教訓的な結末に落ち着いた。
「ゴーン・ガール」のロザムンド・パイク、またまた真価を発揮しました。こういう役柄がはまり役なのかもしれません。