「グッバイ、ドン・グリーズ!」
時々ジュブナイルを見て心の洗濯をするわけです。
よいなー。
本作は、終わり近くになるまで現実空間と夢想空間の区分がもうひとつ曖昧で、そこが好悪の分かれるところだと思います。私はまあ許容範囲という感じです。
台詞は組み立てられ過ぎな感じがあって、それはアニメ映画全般に言えて少し残念ですが、それもまあ許せる範囲。
脈絡のないバカ騒ぎや堂々巡りが、もう少年たちって感じでよいです。最初はあんなにおおごとに思えたことが、冒険を経た後はどうということもないものに変容しているのを見逃さないようにしたいです。
物語の最後に、二人が少し大人に近づいて、自分たちの少年期から引きずってきたもやもやにケリをつけるべく、謎の核心へと地球を半周して辿り着き、そこで謎の大部分が氷解するわけです。
分かってしまった後でも、その偶然の時間の一致がものごとの綾を感じさせてエモーショナルです。それが、本作の良さ。
人を突き動かすものって、案外他愛もないことですが、それがそれぞれの人にとって大切なことなのだと気づく過程が大切です。
作品としては練り足りないところがやや目につきますが、でもジュブナイルだということで許します。