「ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジ」
唐突で単調だった。
唐突というのは、カーネイジの宿主の殺人鬼の彼女が妙な超能力を持っていること。それは話が出来すぎだろうと。普通につくるとカーネイジが強すぎるから、彼女に音波攻撃能力を持たせてなんとか弱点を作り出したように見えて、あざとさが目立ってしまった。
その上最後に、例の刑事がまた突然怪人に変化(へんげ)した風な終わり方だったり。コミックスを読んでいればわかるのだろうか。私にはどうも取っつきにくかった。
単調というと変に聞こえるかもしれないが、ヤマがない感じとでも言うか。派手なアクションはたくさんあるのだが、同じ調子に見える。何かを予感させながら、じわじわと盛り上げていき、クライマックスでやっぱりそうくるかーっというのが、上手い話しの作り方のはずだけれど、本作は平野と台地みたいに二分されていて味気ない。細かいギャグとかヴェノムのおだてとか、コミカル調もちりばめて努力はしているのだが、噛み合わせがよくない。
次はスパイダーマンとの絡みになりそうだけど、ヴェノムは面白いヒールなんだから、変に善玉ぶらない方がいいかもしれない。