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2021.12.05

「白蛇2: 青蛇興起」

「白蛇:縁起」に続く第2弾。前作同様に中国らしい大きなスケールで、地獄のひとつである修羅界を舞台に、人と妖怪と、そして今度は鬼たちも加わって、愛と執着のドラマを繰り広げます。おまけに、修羅界そのものの属性として各種災害の波状攻撃と、一緒にやってくる獰猛な幽霊たち。今回もあれやこれやてんこ盛りで息つく暇もありません。これだけサービスされると、良作なのか駄作なのかもよくわからなくなります。中国版のブロックバスターなのでしょう。

そして、今回も例の化け狐が出てきます。二面性を持った超越的なこの存在が、どうやらシリーズの鍵になるキャラクタのよう。主人公と敵役のほかに第三者的なキャラクタがいることで、話の展開がしやすく、面白くなっています。中国のアニメだと、こういう構図が多いのでしょうか。道教の多神教的な世界観の反映なのかもしれません。

アニメーションの動きもよいです。青が修羅界に来てからしばらくの、動きの多いアクションが見もの。激しい視点の移動が、対象の動きと連動して生み出すスピード感や躍動感がすばらしい。実写では難しいイメージを難なく創り出しています。

本作は、青の白への執着心がお話の中心にあり、それ一本槍で最初から仕舞まで貫き通していて、単調なきらいは多少ある反面、濃厚な印象を残します。この辺も中国っぽいですね。人間の高僧と青の戦いは、力量の違う相手に寿命の長さとしつこさで打ち克って、これもなかなか中国らしい感じがします。

次は2022年。今度は化け狐のお話のようで、楽しみです。
中国アニメ、面白いですね。

 

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