「DUNE/デューン 砂の惑星」
格調高く仕上がっていて、身じろぎもせずに見ました。2時間半という長さを全く感じない完成度の高さ。
お話は典型的な貴種漂流譚で安定感抜群。そして、DUNEを独特なものにしている特異な世界の設定とディテールの数々が、重厚で美しい映像に結実している。物語の主役達はもちろんのこと、憎むべき悪役でさえ、ある種の洗練、歴史の重みを湛えている。他と比較するのも失礼ながら、例えばスターウォーズの安っぽいディテールに比べて、圧倒的な格の違いを見せつけている。舞台が砂漠で、単一の色調のグラデーションで彩られているのも、この洗練に一役買っている。それをあやまたずに取り出して視覚化してくれたヴィルヌーブ、よくやってくれました。
ただ、これを小説の流れに沿ってシリーズ化するのは、少し怖い気もする。読んではいないけれど、ざっと検索すると、話が飛びすぎているようだから。もし続編を作ろうとすれば、原作にはないアイデアをかなり盛り込むか、いっそ外伝のような位置づけにする必要があるだろうか。
期待半分惧れ半分で見守りたいと思います。