「シャン・チー/テン・リングスの伝説」
ハオいわー。よいわー。
いやもちろん厳然たるハリウッド的文脈なので、ハオいという言葉は少し違うかもしれないけど。
父ちゃんと母ちゃんの馴れ初めがとってもいい。舞踊のような闘いの最中に惹かれ合う気持ちが芽生えてっていうところが美しいですね。血しぶき飛ぶようなハリウッドのこれまでの格闘シーンとは一線を画していて素敵です。
そこに限らず、格闘アクション全体に新味がある感じ。体全体を使った3次元的で大きな動きが見栄えがする。作用反作用の法則を無視した空中浮遊っぽい中華風味のアレも少しあるけど、超自然の力を感じさせるべき場面に限定使用して意味を持たせているのは、ちゃんと考えている感じでいい。
物語も千年くらいは当たり前の中国四千年感があってこれもよい。
父ちゃん、悪者と良い人の中間くらいで人間くさくてこれもいい。トニーレオンは香港では仕事はやりにくくなるのかしらん。この人は両親が離婚して母子家庭で育ったのね。翳のある厚みみたいなのはそういう生い立ちと関係あるのかも。このシリーズのどこかで復活してくれるといいなあ。
エンドロールの後に腕輪の謎に触れる映像が入っていて、お話がとんでもなくインフレしていきそうで期待が持てます。トラブル襲来の予感しかない。
現実の中国はこのところ俄かに娯楽規制が厳しくなり始めているそうだけど、このシリーズのようなものは影響されずに続けていってほしいです。本作のような作品が、中国と米国の普通の人たちに共有されて、対話の礎になればいいなと思いました。
主人公が習近平に似てるのは、まさか意図してたりしないよね?(笑)