「ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結」
ジェームズ・ガンってアメコミ原作の映画の脚本や監督ばかりやっている人だけど、映画作るのうまいじゃんね。という感じ。同じアメコミ映画の監督でもJ・J・エイブラムズ辺りの下手っぷりと比べるとかなり違う。
ロマコメとかやったらやっぱりうまいんじゃないか。
んで本作は、冒頭意味ありげに紹介された主人公チームと思しきやつらがのっけからアレな目にあったりして、掴みがうまい。
ほいで、あとはベトナム反戦映画みたいなノリで話をつくる。ここで面白いのは、ハーレイ・クインが反アメリカのアイドルみたいに祭り上げられるところで、本人が「ん-とそれはちょっと違うんだけど」みたいな反応を見せるところ。微妙な仕草だけでそういうのをあやまたずに表現する役者はやっぱりすごいです。
そのクインが子ども殺しの話にいきなりキレて手を組んだばかりの相手をアレしてしまうあたりに、このキャラの思い切りの良さというか、出たとこ勝負の無敵ぶりが表れてたりする。
ここの親米反米的な構図が、微妙にずれて後半の争いのテーマになったりもしていて、お話つくるの上手いなと思うわけです。それだけなら普通だけど、こうしていろいろな要素をずらしながら関連付けたり、時間差を置いて見せたりするだけで味わいというものが出るわけです。
そして最後は、大怪獣登場で舞台はもうはちゃめちゃに。ビッグクリーチャデッキよりウィニーデッキの方が基本的に強いてことをしっかり証明してくれます。大衆の心理もばっちり読んでますね。
小が大を倒すのは、この映画の隠れたテーマで、勝負を決する何か所かで見られます。そういうセンスなんでしょうか。
あれよあれよという間にお話しが進んで、退屈せずに見られました。
次は便所マスクとイタチが敵役ですかねえ。あんまりうまくいかない気もしますが。