「クレールの膝」
エリック・ロメールさんの初期の6連作のうちの1本。このコロナ禍で配給が細っているためか、昔の作品を上映しています。デジタルリマスター版ということで映像も悪くない。
元外交官氏と作家の女性との対話が楽しい会話劇かと思うと、そこに少女たちの瑞々しい肢体が織り込まれてきて、眼福、いや目の毒です。若いっていいなあ。この瑞々しさはヌーヴェル・バーグの特徴とされているそうです。
会話劇と青い官能、一見関係の薄い二つの要素が、小説の構想のための実験という設定でつなぎ合わされていて、無理なく消化できています。そして最後に、全てを神の視点で操っているつもりの大人たちの思惑を、若者たちがあっさり覆して終わるのも、ヌーヴェル・バーグらしいといえばそうでしょうか。
いま見ても古くないのがよかったです。