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2020.12.12

「BEM」

NETFLIX配信 全12話
もとはTVシリーズだったのかな・・

懐かしい妖怪人間ベムのリメイク。昔のがどういうお話だったか、もうすっかり忘れたけれど、本作についていえば、人間になりたい妖怪のベム達が、人間に関わり観察する中で、人の本質に迫ろうというコンセプトは変わらないようだ。

なので、一作づつのタイトルがそのまま人の暗部を表していて、お話の内容も極めて模式的で分かりやすい。

はじめの3話は各キャラクタの紹介で、現代風の仮の姿の下に、それぞれ異なる典型的な3人の内面が吐露されたりする。

中でもベラとベロの会話で、
「ベラは人間に夢見過ぎ」
「ベロは人間に闇見過ぎ」
といった応酬があったりして、この作品の骨子を表している。ベムはバランスの取れた調停役かつ人の世の為に働くという絶対の推進力になっているという構図。表現としては「ど」が付くストレートさで、たいへんわかりやすい。

その後は、徐々に町の統治機構の謎に迫ることで、ベム達と同じ強力な妖怪人間「マダム」との遭遇に繋がっていく。

どちらも不死の身であり、死を渇望しているのだが、ベム達が人間になることでそれを達成しようとするのに対して、マダムの方は、妖怪人間のままでそれを成そうとする。結果として街ひとつを巻き添えにすることになるその方法を、ベム達は阻止するために対決する、という構図。

いいんじゃないでしょうかね。
昔との違いといえば、ベラやベロの本当の姿を「カッコいい」と感じる小数の人間を置いて、多様なものの見方を打ち出し、3人の立場に希望を与えたりしているところか。それなら人間にならなくても今のままでもいいんじゃないの、という微妙な時代の感覚を映しているかのようです。

はじめから終わりまで、単純にわかりやすく出来ていて、楽しめました。

 

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