「テネット」
普通、一つの作品世界にはプロットがありストーリーがあって、そうした骨組みの中に伏線が張られて、それが回収されることでちょっとした感慨を見る者に抱かせる。いわば伏線とはスパイス。のはずだった。
然るに。
本作は全部初めから壮大な伏線。伏線こそがプロットでありストーリー。みたいな。映画は中間点まで行ってから、始まりに向けて戻っていきますみたいな。その過程で登場人物達の様々な生き様が映し出されていく。
なんなのこれ。すごいわ。
壮大な recursive call
女の危機が termination condition
スタックを戻るごとに彼の、彼女の、物語が回収される。
て感じでしょうか。
クリストファー・ノーラン、期待を裏切らない出来の作品を捻り出しましたね。
前半で見せてくれる富豪的アイコンの数々も目に眩い。
コロナ明けに最高のパワフルな一本でした。