「ディック・ロングはなぜ死んだのか」
ひと月くらい前に見てはいたのだけど、あまりの脱力感に感想も書かずに放置していました。
でも落ち着いて考えてみると、そう、「人間って・・計り知れないですね」という太っちょ婦警の言葉が結構重みを持って響いてきます。
いやその、計り知れないといっても、もうどうしようもない、の言いかえでしかないのですけどね。
ただ思うのです。
そういうどうしようもない非常識なことを時にしでかすことで、人間の文明は発展の切っ掛けを掴んできただろうな、ということをね。たとえその当事者の個体が滅びても、その衝撃が周りに伝播して、毒性を弱めつつ何らかの新たな刺激を我々の社会に与えることによってね。
そこにその時代その地域の良識を当てはめて考えることから、距離を置いてみるのです。
そういう意味で、ひと月たってみるとそれなりに含蓄があるような気がしてきました。
・・・んなわけぁないだろう(笑)
まあ少なくとも、「なんで俺たちあんなことしちゃったんだろう。」という絶望というか慟哭のようなものを、役者がよく表情に出していたのは、さすがプロだなとは思いました。
あ。これの監督、「スイス・アーミー・マン」のあの人なのか。。
いやあ映画って計り知れないですね。