「もののけ姫」
不朽の名作。それ以外に言うことはありません。
また映画館で観られてよかった。
10年くらい経ってまた観たい。
ストーリーとかはまあいいんですこういうものは。
それに、動物のCG表現とかは「ジャングル・ブック」でもうお腹いっぱいなので、それもまあいいです。
この作品はむしろ、動物たちがどんなところでどう役に立つのかということを楽しむのがよさそう。
船の加速の仕方とか、鍵の開け方とか、ドラゴンの病気の原因とか、人間の登場人物だけでは思いつかないような奇想天外な方法を見て空想を逞しくするのがいいんです。
ちょっとわからなかったのは、盗賊島のボスがくれた船に繋がれていた彼は、あの後どうなったんだろ、てことでしょか。あれ、スパロウですかね?(笑
スタッフロールのおまけで、やられ役の彼がとうとう言葉を覚えたのは、続編へのフックかな。
いやでも、これはこれで終わらせておけばいい気がしますけどね。
NETFLIXオリジナル
奇妙な存在が戦地の米軍を襲う。全滅に近い損害を出しながら、技術者があり合わせの材料で作成した検知器と武器を使って反撃する。というお話。奇妙な存在の謎解きで最後まで持たせている。映像技術はそれなりだし、プロットも悪くない。
仕立て直せば十分映画館にも掛けられそう。つまり裏返せば、このままでは映画館では上映できなさそう。映画館で見る映画とは微妙に違う。画面が小さいせいかもしれないが・・・
どことなく淡白というか、テレビドラマ的なのだろうか。
映画館の映画はもっとディテールに労力が込められている感じがする。音も違う。
そういう比較に目が行ってしまうくらいには、映画館に近い作品でした。
なんという中二作品。問答が長すぎる。しかしアクションシーンはなかなかよい。
Zeroを先に見ていたのでわかりやすかったが、最初にこれを見たら面食らったかもしれない。
これを見て育ったのは、いまの20代後半~30代くらいになるのだろうか。。
そりゃ確かに世の中違ってくるわけだ。
そして、いまの子供たちはまた違う傾向のものを見ているんだろうなあ。
また性懲りもなく女スパイものか、と思ったらこれが意外や意外、面白い。
まずスピード感がある。特に導入部分のところの格闘シーンはがんばってる。ヒーロー効果はどの映画も同じだから仕方がないけど、相手の人数が多ければそれだけ使える武器もたくさん落ちてるという割り切りがよいです。ヒミツヘイキみたいな厨二アイテムはお呼びでない。
その後もくだらない台詞を言わずにどんどん殺しまくるのが快適だ。男のスパイものは、殺すときにくだらない述懐が長すぎてストレスが溜まるけど、本作の女スパイは、考えるべきこと言うべきことは準備段階で吐き出して、いざ実行時は躊躇なく小気味よく殺る。無意味に引っ張らない。そういうところでリアリティを感じさせて気持ちがいいです。
そして、組織による束縛と個人の自由との葛藤を解決するスタンスが、これまた気持ちがいい。どろどろしたものはなし。心を決めたら黙って周到に準備。実行は最小限の動きで扇の要だけを狙い撃ち。その後のミスから引き起こされる大バトルでエンタメ要素もばっちり。
構成もいい。時系列で見せれば間延びするところだが、はじめに表層の動きと結果を見せたあと、少し時間を巻き戻して裏を見せ種明かし。このシークエンスをいくつも連ねていって、驚くべき作戦の全貌を次第に明らかにしていく。そこに二重三重にそれぞれの思惑を織り込んで見せていく。お見事です。
ほかにもお楽しみ要素満載。そもそも女スパイの表の職業がモデルだから、華やかかつセクシー。眼福というやつです。ウィットも効いてる。米ソ拮抗の大きな構図の中に、フランスやドイツへの皮肉が登場人物の設定として組み込まれていて、思わずニヤリとさせられる。加えて米国とソ連についても組織の駄目な点を風刺していてフェアな感じです。
完成度がすごく高くて、垢ぬけていて、スパイ映画なのに爽快感があって、エンタメとして最高の部類に入ります。リュック・ベッソン、ふっきれた感じがしました。
原作はラノベ。鬱展開という言い方があるらしくて、この一連の作品もそう呼ばれることがあるようだけれど、割と物語の王道をなぞっている。2シーズン25話を面白く一気見しました。
TVアニメの利点を生かして登場人物の背景描写に多くの時間を割いており、それが話に厚味を与えている。鬱陶しい述懐は、なるほど鬱っぽいけれど、あらすじは普通の悲劇でしょうか。ただ、悲劇以外の要素もたくさん取り入れて、多面的な感じを出しているのがいいです。群像劇なので、その時々で主役が入れ替わり立ち替わり飽きさせません。ワタクシ的な好みは圧倒的に強く上から目線のギルガメッシュあたり。死にそうにないので安心です(笑)。
そのうち、シリーズの他の作品も見てみようと思います。
これは沼。浅そうに見せてその実、人を欺く深い深い沼。
初めのうちは軽めでキャッチーな展開で進みますが、次第に角度を付けて深くなり、見る者はずぶずぶと嵌められます。底の見えない不安感に襲われながら、予想外の二段三段の展開に釘付けになり、さらに深くその先へ沈められていくことになります。
ロシアが、文学ならともかく映画でこんな作品を作る、作れるなんて。予想外でした。
確かに、ハリウッドとは全く違うテイストに惹きつけられるところはあります。そもそも我々はロシアの人たちの日常なんてほぼ全く知らないのだから、それが表れている部分だけでも興味深い。どの程度までフィクションなのかも含めてですが。
加えて、見慣れた米軍とは違うロシア軍兵士たちの装備にちょっとかっこよさを感じたりもします。事態の深刻さを表現するのに、最新鋭の戦闘機が行方不明、ではなく、最新鋭の戦車旅団70両が消息を絶つ、なんていう台詞にぞくぞくするわけです。鷹より熊、のロシアンテイスト炸裂。
さらにロシア感覚のタフガイやイケメンや美女のタイプは、などとチェックしたりもできるわけです。あるいは、装甲車が群衆を突破していくシーンなども、欧米の映画ならたぶんボツになりそうなド迫力映像です。おそロシア(笑)
そういう楽しみが大きいことは否定しません。しかし、それだけなら西洋から見たエキゾチズムで片付けられてしまうところですが、この作品はもっと深いテーマをいくつも含んでいます。人間の本質とか獣性とか神性とかについて。そういうところを、ハリウッドのお決まりのパターンとは違うアプローチで見せてくれます。
そして最後に、大きな問いを投げかけたまま、映画は終わってしまいます。マーベル映画などにありがちな、続編へのフック程度の意味しかない安っぽい終わり方とは違います。
あの後、一体どういう展開があり得るのでしょうか。深遠な問いを受けて、観た後も考えるネタに尽きない良作になっています。最初のB級感を保ったまま、それをやってのけているのが凄い。
ロシア映画、侮れません。
映画は1988年公開だから、30年以上前のアニメ映画。そのデジタルリマスター版ということで、色鮮やかに蘇った。凄いの一言に尽きる。
なんといってもその映像だ。大友克洋は凄いということはいろいろな人が言っているけど、見ると実感できる。そして音も今回完全リニューアル。冒頭は爆音上映会かと錯覚するような迫力です。
物語はまあ昭和っぽいのは否めないが、映像と音を体験しにいくと割り切って十分です。
だいたい金田のバイクなんていまだに実現されてないわけですし。
いやーとんでもないものを見てしまいました。観てよかったです。
たぶん、長く名作として残るのではないか。
4人姉妹の生き生きとした日常を、その娘時代の屈託なさと成長してからの気苦労を、喜びも悲しみも一切合切ひっくるめて、真正面から描いている。逃げず、茶化さず、皮肉らず、斜に構えず、謳い上げている。たぶん男の監督にはこれはできない。どこかに意地や見栄が残るからだ。
でもこの監督さんは、それをやってのけている。
傑作です。
物語と絵柄と台詞と役者とが凄くマッチしていて、涙が出るほど素晴らしい。あっ・・と感じさせる印象深い一瞬がいくつもあって、とりわけ、病状が悪化した三女と、見舞いのため帰省した次女が、懐かしい思い出のつまった海岸に座って、次女が物語を語って聞かせるシーン。その神々しさといったら、近年稀に見る芸術です。一幅の名画です。しかも背景と光を微妙に変化させ、人物の心情の移ろいに合わせて、このあとの展開までも暗示して見せているのですから。映画というものをこれほどまでに芸術として作れるのかと、改めて蒙を啓かされます。
構成と演出のすばらしさ、語り口の巧みさはもちろん、役者達も素晴らしい。大女優の道を歩み始めているシアーシャ・ローナンは言うまでもありませんが、ほかの3人もそれぞれの役柄を引き立てています。特に四女を演じたフローレンス・ビューは、少女時代と成長してからの女性とをくっきりと演じ分けて、ほかの3人とはその点で鋭い落差を見せつけています。脇役たちのベテランらしい手堅さも、この作品を支えています。
どこからどう見ても間違いなく、必見の一本。
カトリーヌ・ドヌーブが貫禄を見せている、というくらいの作品。
アンティークそのものに関しては、特に何もない。それはそうだ。モノに過ぎないのだから。
そうではなくて、縁のあったモノから思い起こされるたくさんの思い出、いいものもわるいものもあるそういうものどもを描いている。想像上の個人史のようなもので、観ているこちらには、特段の思い入れがあるわけでもない。
ただ、ひとつとても大切な話が織り込まれているのを除けば。
* * *
誰でも長く生きていれば、誰にも話さずに墓の中までもっていこうと決めたことがひとつやふたつはあるだろう。それは大抵、罪の意識と一緒にあるものだろうけれど、この作品で取り上げられているものもその一つ。
主人公の老婦人は、そのことをずっと悔いて重荷に感じてきた(はずだ)。
しかし、たぶん、気位の高い性格が災いして、誰にも話すことができなかった。
死期を悟った彼女が、気まぐれとも思えるオークションを開催したことが噂になり、それが切っ掛けで久方ぶりに尋ねてきた娘との、いささかささくれ立ったやりとりを繰り返す中で、この老婦人の過去の断片が回想される。
少しづつ、半ば失った過去が思い起こされる過程に、観客も付き合っていった最後に、彼女の心残りの種が明かされる。
重苦しいやましさを抱えて生きてきたこの人の人生に、いいようのない哀しさを覚えたまま、映画は終わってしまうのかと思いきや、倒れた老婦人を介抱する実の娘のひょんな言葉から、そのわだかまりが単なる本人の勘違いに過ぎなかったことがわかる。
ああ、なんだそうだったのか。この瞬間のなんという晴れやかな空気。これで心置きなくあの世に旅立つことができますね。思わずそう声を掛けたくなるような巧みでさりげない展開。それがこの作品の味わいです。
人の寿命が尽きるということは、周囲のまだ生き続けなければならない者達にとっては重く悲しいことであるのに、当人にとっては晴れやかなことでもあり得るのだ、という感覚を、たいせつに受け止めたいと思います。
最後の華々しい散り方は、このふてぶてしく生きてきたであろう老婦人にとても似つかわしくて、まさに祝祭というタイトルがしっくりきます。
ジャームッシュ、遊んでるでしょ(笑)。でもまあ、面白かったですけどね。
コロナ明けで、少し諸行無常感のあるような、それでいて閉塞した現状を変えられそうな希望を微かに感じているような、そんな心持ちにしっくりきました。
とはいうものの途中まで、いったいこれはどういう落としどころなんだと頭の中は疑問符でいっぱいです。だいたい、アダムドライバー演じる若い方の警官が、死体を見た他の人たちが口を揃えて野生動物の仕業と言っているのに、ひとりきっぱりゾンビだと断定してるの、おかしいよなあと思っていたら、とんでもない種明かしが来ますし。観客は完全におちょくられてますな(笑)。
おちょくりといえばもっとすごいのが、ティルダ・スウィントン演じるゼルダ・ウィンストン--この時点でもう、やってきてるな監督て感じですが--の退場の仕方。も椅子から転げ落ちます。おい、どこ行っちゃうんだよ君は(笑)。
そもそも全体を通して、日常と微妙にずれていて、何とも座りの悪い変な感触が、なにかおかしいぞこれは、と感じさせるに十分です。
全部、意図的だったんですね。最後のナレーションでそれがわかりました。
最初から最後までところどころで貌を見せていた世捨て人の男が、全部解説してくれます。なーんだそういうことを言いたかったのかと。ありきたりだけど、まあそれはそれでありなんじゃないですか。
ということでスタッフロールが流れて、やれやれ終わったと最後に映画のタイトル「THE DEAD DON'T DIE」がもう一度ひょっこり映し出されて(たぶんこれも意図的にやってる)がーんと頭を殴られた気分になります。
作り手が本当に伝えようとしたこと。それは、「いま君たちに説明した、救いようのないこれは、ずっと続くんだよ。DON'T DIE なんだよ。」ということ。それに嫌でも気づかされてしまうのです。
何か東洋的な精神主義的価値観がこの地獄のような状況を変えてくれる? そんなことあるわけないでしょ、とゼルダ・ウィンストンを使って教えているわけです。
世捨て人の男のような境地が救いかも? そんなわけないでしょ、彼もまたDEADと同じなんだよと、彼が最後に農場から盗んだであろうチキンを頬ばらせることで教えているわけです。
徹底して斜に構えていますね。子供たちが森へ逃げたのだけが、一応の救いでしょうか。
いやー、人が悪いですねジム・ジャームッシュ。こういう達観は好きですよ(笑)。
【追記】
実を言うと、"Kill the head." がもうひとつのキーなんだけど、今のご時世を想うとちと剣呑なので、あんまり言いません(笑)