« April 2020 | Main | June 2020 »

May 2020

2020.05.25

「ロード・エルメロイⅡ世の事件簿 -魔眼蒐集列車 Grace note」

全14話の魔術ミステリー。原作はラノベだそう。
お話は込み入った謎解きと歴史ロマンと魔術を絡めたアクションとがバランスよく混ざっていて、一気に見てしまいました。
セリフ回しが気障なのと可愛いのとでぐっときます。

そして、夢物語を追い求める少年から、現実の中に生きる価値を見出す大人への成長が物語の筋を作っていて、なかなかよいのです。
主人公が頭脳プレー中心で術や力は弱い大人、周囲の才能ある群像は少年少女、という設定がユニークで、そこもグッとくるところ。

|

2020.05.17

「ラブ、デス&ロボット」

全18話の短編集。割とよかった。1話は10分程度と短いので見やすい。

以下気に入ったもの数点。

「わし座領域のかなた」
宇宙版の怪談・・・だろうか。美女とよろしくやっていると、それは実は骸骨だったみたいな話の変形。エロいコワい。

「フィッシュ・ナイト」
アリゾナの砂漠の只中で、車の故障で一夜を過ごすことになった旅行者達。太古の昔は海の底だったというその地で、彼らが見たものは。
幻想的なイメージの美しさと危うさとが同時に描かれていて、ちょっと切ない。

「救いの手」
事故に合い片腕を岩に挟まれ動けなくなった状況から、ナイフで腕を切断して脱出した男の話があった。
この小作品は、宇宙に舞台を移して、同様に腕を犠牲に絶体絶命の窮地から脱出するお話。
冷静な計算、不屈の精神、命のために代償を払う覚悟、そういったものが短い尺の中に凝縮している。

「目撃者」
サイケデリックでエロい映像。一応、ループ構造の話に組み上げているけれど、やはり見せたかったのはエロだろう。エロがたっぷりです。

「ソニーの切り札」
異形の怪物の闘技場での死闘が見せ場。ヒトの意識が宿るのはどこかというトリッキーなお話。腹話術の人形が実は実体で、人の方が操られている話と似ている。


などなど。

 

|

2020.05.10

「6アンダーグラウンド」

なんだか古臭い正義感とええ恰好しいに満ちたキザな必殺仕置き人映画だけど、アクションはスンゴイよかった。冒頭から長々と続くカーアクションはそれだけでお腹一杯です。この部分がドタバタなチームメンバー紹介にもなっていて洒落てる。

んで、このカーアクションの中心にいる凄腕ドライバーが、なんとそのアクションのシークエンスの最後に死んでしまう。そして、彼の後のメンバーをスカウトするところから、映画は本編に入っていくわけだけど、その新しいメンバーはドライバーではなくスナイパー。

象徴的だと思うのは考えすぎだろうか。結局、一般道や美術館の中で車をいくら華麗に走らせたところで、遥か遠方から標的を打ち抜く狙撃銃ほどの役に立つわけでもないと、作り手は言っているかのようで、その点には同意します。

この冒頭のアクションのほかに、キーマンを拉致する部分と、最後のクルーザー内のバトルアクションが、3つのヤマバ。いずれも堪能しました。

マイケル・ベイって映画つくるの上手いじゃないの。失礼ながらトランスフォーマーとか見てると下手なのかと思ってしまうけど、そんなことなかった。

でもあまりに思わせぶりなシーンが多過ぎて、こんなのシリーズにされても見に行くかなあ。1本だけで十分食傷気味ですw

|

2020.05.05

「iBOY」

これ地味だけれどなかなかいい映画。

お話は、言ってみれば他愛もない、ハイスクールの若者の正義感やお互いへの恋心やらが、子供には似つかわしくない荒んだ住環境の中で地域の小悪と衝突し、事件でたまたま手に入れた不思議な能力で、そいつらを懲らしめる。というだけなのだけれど、なんというかテイストが刺さるものがありました。

主人公役の二人、ビル・ミルナーとメイジー・ウィリアムズの組み合わせが、とてもキュートなのに大人びた渋味も併せ持っているからでしょうか。この作品の価値は、二人が醸し出している空気感にあるのですが、それを引き出しているのはたぶん、プロットの良さ。

イギリスの貧困層が棲む地域は、だいたいこんな感じなのかもしれませんが、そういう荒れた環境の中で、若い二人の絆が暖かく光るわけです。

尺が短めなのもコンパクトな感じにつながって、地味目のアクションと相まって、二人の心情の方に目を向けさせてくれます。

ちょっといい作品を見られて満足しました。

|

2020.05.01

「FYRE: 夢に終わった史上最高のパーティー」

幻に終わった音楽フェスティバルのドキュメンタリー。美しい南の島を舞台に繰り広げられた誇大妄想の破綻の道行き。

この首謀者を詐欺師とする見方はもちろんあるし、実際に詐欺罪で有罪判決を受けている。けれど本当に詐欺師なら、金がある程度入ったところで姿をくらますだろう。この人物は最後までそこにいて、けれども責任はとらない(とりようがない)のだから、どちらかというと人格破綻者なのだろうか。口先で誰かを丸め込んで金を調達することだけは上手かったけれど、現実のロジスティクスがまるでわかっていなかった。

ただ、この作品は、一人の人格破綻者に焦点を当てるよりも、むしろネットが生み出したインフルエンサーという人々とそのフォロワー達の、空疎な有様の方を描いているようにも見える。実質を伴わない単なるイメージが価値を生み出すかのように錯覚する新しい空間が生み出されて、そこに身を投じていく人々がいる。

もちろん以前から、ファッション業界とかセレブとかいう言葉の周囲はそういうものだったろう。いわゆる夢売り商売だ。あるいは、芸術一般も実はその類であるのかもしれない。いずれにせよ、一部のごく限られた人々が独占するものだった。

けれどもインスタグラムがそれを大衆の手元まで引き寄せた。作中にも、あの島はまさにインスタグラムだったと述懐する声が批判的に挿入されている。

いまこのとき、世界中が妄想も詐欺も一切通用しない疫病の災いに直面しているただ中で、夢のように美しい記録映画の景色を見ていると、なんと儚く見えてしまうことだろう。

ほんの数か月の間に、こういう空間は封印されて、当分の間は復活しそうにない。そう思うと、この薄っぺらさがなんだか愛おしいような気分になってくる。

見るタイミングのせいだけれど、妙な気分になりました。

 

|

« April 2020 | Main | June 2020 »