「21世紀の資本」
本は読んでないけれど、2013年にフランスで出版されたそうだから、7年前の内容。そういえば日本でも結構話題になってました。
内容については、例えばウィキペディアを見てもいいかもしれません。
https://ja.wikipedia.org/wiki/21%E4%B8%96%E7%B4%80%E3%81%AE%E8%B3%87%E6%9C%AC
映画作品としては、センセーショナルな映像を繋いで興味をそそる構成になっています。合間合間に、経済紙などでよく見るような顔ぶれのインタビューを挟んで説明の流れを作っています。
それにしても、ですよ。資本主義社会に生きる我々は懲りずに毎度同じような成長と破壊とを繰り返しているのだなという感想が思い浮かびます。ある程度避けられないことなのだろうし、振り子が常に揺れ動いていることで、社会の新陳代謝が行われているような気もします。錯覚かもしれませんが。
ただいま現在は、中間層が衰退して貧困の増大と富の過剰な集中が起きているから、振り子を少し戻す必要があるだろうという主張は、大多数の支持するところではあるのでしょう。具体的な手法を巡っては、この本を批判する人たちから否定的な意見が聞かれるのもうなずけますが、ではその人たちが何か有効な別の手法を提案しているのかどうかは、この映画ではもちろんわかりません。
今年始まったCovid-19の禍は、こうした議論にどんな影響を与えるのか、いまはその点が気になります。