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2019.11.08

「グレタ GRETA」

あの「ELLE」のイザベル・ユペールさんです。あのときに比べると少しまとも。(笑
いや、方向が違うだけでヤバさの強度は同じくらいか。もちろん役柄の、ですが。

クロエ・グレース・モレッツも、アイドルとは言いながら実は怪物の役も結構ある。作中でも、この危険な老女を意図せず挑発するかのように、自分をチューイングガムなどと言ってしまう。粘着比べでもしようというのでしょうか。危なすぎます。

では、というわけでもないだろうけれど、イザベル・ユペールさんの危ない演技がその辺りから徐々にエスカレート。演出の上手さもあって、血が凍ります。後半の監禁あたりで、軽やかにステップを踏むところがあるのだけれど、その嬉しさのあまり焦点の定まらないような足の運びとか、絶品です。狂気を足で表現するなんて!

いやー怖いですね。ほんとに怖いです。

ただ、なんというか、クロエがそれに食われてなかったのも凄い。この人の存在感というのが、何から来るのか、いまだによくわからないですが、とにかく凄い。本作では、悪人に付け込まれやすい人の好さと頼りなさを余すところなく表して、観客を思いっきりいらつかせ、じらせてくれます。また好きになってまうやないか。

その頼りなさに呼応するかのような、頼りがいのある女友達の役を演じたマイカ・モンローさん。これは狂女の毒を毒で制するあっけらかんとした曲者の都会っ子(長いw)といったような役回りなんだけど、ぴったり。よくまあこんな似合う人を連れてくるなと感心します。

そういうわけで、三人三様に一分の隙もない配役で、狂気の世界を堪能させてくれました。

クロエ、これでまだ22歳かあ。

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