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2019.11.01

「IT/イット THE END “それ”が見えたら、終わり。」

原作は、ホラー版「スタンド・バイ・ミー」なのだそうだ。だからホラー要素はそれとして、お話の方にこそ力点がある。前作はその点、とてもよかった。なるほどスタンド・バイ・ミーだと。本作は・・・残念ながらそこまでではありません。だってみんな大人になっちゃったしね。

確かに、子供の頃のいい思い出も、穴に入りたくなるような恥ずかしい思い出も、忘れていたものを全部思い出して乗り越えていくというドラマ要素はありました。普通はそういうものは、蓋をして忘れます。たぶん一生。だからこのお話の群像がそれを克服するのは、立派なストーリーではあります。

ところが、その克服の仕方が、少し曖昧だった。前作はそれぞれが怒りの力で恐怖に打ち克っていったと思うけれど、本作ではそこがよくわからない。大人は子供に比べて複雑だからそれも仕方がないとは思うけれど、何か変な呪術めいた要素とか、おしまいはたんなる気合いみたいなお話。スポコンかw

まあ、最後にピエロから、みんな立派に大人になってと褒めてもらって、よかったんじゃないですかね。仲間内から犠牲者が出たのも、大人世界のリアリティを反映しているみたいで、こんなもんじゃないでしょうか。
これでおしまいでいいと思います。

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