「アナと雪の女王2」
これ文句なく傑作です。まず歌詞に表れているテーマがいいのね。
"Do the next right thing."
いろいろ思いあたるフシがあるよねえ。。
http://www.nextenglish.net/the-next-right-thing-frozen2-kristen-bell
そしてストーリーもいい。
空想世界の話だから他愛もないかというと全くそんなことは無くて、むしろ実写の大仰なアクション映画なんかよりよっぽど心に触れるところがあります。それを冒険ファンタジーRPG風の展開の中にまとめ上げている。
この作品の良さは、いくつもあるけれど、まず勧善懲悪パターンや憎悪と復讐劇を退けてなおこれだけの感動ストーリーを組み上げているところ。そして、過去の過ちを知って心折れながら再び歩み始めるところ。その役割を、特異な力を持つ姉ではなく普通の人間のアナに担わせているところ。前作ではそのあたりがもうひとつわかりにくかったけど、本作の主役は間違いなくアナの方とわかります。最初から日本語タイトルにエルサを入れずにアナを入れたのは慧眼です。一方エルサにはその超絶した力と引き換えとでも言わんばかりの悲劇を。子供向けに柔らかくしているけれどこれ以上はない悲劇。(姉姫様しんじゃうの?)
そして歌よしファンタジックな映像よしのイマジネーション溢れる童話にもなっています。もうたまりませんね。
もし「風の谷のナウシカ」に結末があったなら、きっとこんな感じ。クシャナはアナであり、ナウシカはエルサなのです。
先日公開された「マレフィセント2」も、過去の過ちを乗り越えて未来へ踏み出す話だったけれど、あちらは悪役をはっきりさせて、全部をそいつのせいにしていたし、未来志向というものが少し軽々しく扱われていた印象があって、私はネガティブな感想を持ったのでした。
けれども、この「アナと雪の女王2」は、それと同じテーマを追求しながら、それを遥かに凌駕して、心折れ心躍るお話にしています。たぶんエルサとアナの二人に役割を分け、贖罪と克服とを分離させながら結びつけることができたのがよかったのだろうと思います。
「未来が見えない時できることは、次にすべき正しいことをするだけだ。」
ぜひ映画館で、このあまりにも正しすぎる覚悟に刮目しましょう。
いや、またしても煽り過ぎか(^^;