「ヴァイオレット・エヴァーガーデン 外伝」
例の痛ましい事件があって、アニメ制作スタジオが大変らしいということで、ちょっと見に行ってみました。
絵は確かに特徴があっていい感触。最後の野原の回り込みなんか、結構大変なんだろうなあと思いつつ、この質感と密度が途絶えないよう祈りたいです。
TVシリーズを見ていないので、お話の背景はネットで読む程度しか知らないのですが、本作についていえばじっくりした展開で、あまり劇的な感動というものはありません。よくできたお話だけれど、ある程度先が読めて驚きはない。エミリーがヴァイオレットに心を開いていく過程が、やや滑っている感じがちょっと惜しいです。流れはいいのだけれど、ディテールは工夫の余地がありそう。
手紙というものを媒介にして感動を形成する着想は、たぶん他にもあると思うけれど、それを中心に据えて、フォーマットにまでしてしまうのは頑張っています。本作でそのフォーマットに載せたのは・・副題に「永遠」とありますが、よくわかりません。むしろ、生き別れた姉妹が紆余曲折を経て、手紙を通じて共有する「自由」というものに思えました。
外伝、ということで、やや抑え目なのかもしれませんが、本編ではもう少し山谷を強く出してもいいかもしれません。