「イソップの思うツボ」
”カメ止め”の監督と仲間たちによる云々というだけで、同じ手法なのかなあと思いつつ、見てみました。
コンセプトは前作と同じ感じ。本作では、カメ止めで驚かせてくれた中盤での視点切替えの大技に加えて、登場人物の意外な繋がりが進行とともに明かされていく面白さが追加されています。
手作り感はここでも生かされていて、この感じが、続くといいですね。
まあ、それだけと言ってしまうと、そうなのですが・・
この作品では、エンターテインメントというものの一部が、それを享受する側の悪徳に支えられていることを、遠景に描いています。
最後に裁かれるのは、見る側と見られる側をつなぐことを生業にしている人たちで、暗黙のメディア批判と言えそうです。一般受けしそうですね。
でも、見る側としては、もう少し想像を膨らませてもいいかもしれません。モニターの向こうで仮面を着けて一部始終を楽しんでいた人々は、趣味の悪い金持ちという設定でした。
本当にそうでしょうか。
あれは実は、無料メディアを通じて質の悪いコンテンツにしか繋がりを持てない、そして、それが世界の全てだと勘違いしかねない、我々普通の”匿名の”人々の在り様ではないかとも見えました。
どうも落ち着かない後味です。
ひとごとでは、ありません。
[追記]
まあ、そうはいっても、世の中暇と金を持て余して不善を成す人も、たしかに一定数いるみたいなんですけどね。
事例:ttps://twitter.com/harukazechan/status/1162216655016960000