「僕たちは希望という名の列車に乗った」
これは素晴らしい作品。
社会主義の皮を被った権威主義と自由主義とが衝突する、よくある筋書なのですが、そこに世代間の葛藤を重ねています。
戦争と革命に塗りつぶされた親たちの世代の無念、にもかかわらずそれを子供たちにも強いる現体制の不条理、それに反抗する中で学んでいく子供たち世代の葛藤や希望、仲間との連帯が、鮮やかに描かれています。
子供は、子供たちだけで次の世の中を作っていく。
親はただ見守り、時には古き悪しきもの、憎悪や狂信の過去から子を護る盾になり、若者たちを巣立たせていく。
そういう理を示してくれる作品です。
いろいろ触れたい細部はあるのですが、それをすると作品の味わいを損なうので、感想はこれだけにしておきます。