「オーヴァーロード」
まあ、エイブラムスは、物語の人ではなく映像の人という感じだから、これでいいのだろう。あ、監督さんは別の人なのか。。
映像で恐怖や不安や不気味さ、そして暴力を見せる映画。もちろん、それらに対置されるものもある。物語はあまりない。
主役の黒人俳優さんの、恐怖に見開かれた瞳が目立つ。暗闇に肌の色が溶け込んで、ただ目だけが不安と恐怖を訴えているのが効果的。それが、精神に過大な負荷を掛けられ、だんだん目が据わってきて、エピローグでは一皮むけた感じになっている。俳優さんの演技が割とよかった。
ほかにも、人の二面性を表すカットがところどころで見られて、もしかするとそれを狙っているのかもしれない。俳優さんたちがそれぞれに、明るい面の表情と、過負荷を掛けられたときの暗い面の表情をはっきり作り分けていた。
こういうのもある種のエンタテイメントではありますわね。
【追記】
”Overload”は、もちろん過負荷という意味だけど、この映画の背景になっている、第二次大戦の連合軍の作戦名だそうで。全然知りませんでしたよ(汗