「バイス」
viceは「副~」という意味だと思っていたら、それ以外にも、「悪徳」とか「悪習」とかの意味があるのね。知りませんでした。
イラク戦争を、我々はもう忘れはじめているけど、改めて、なぜあんな馬鹿な事をやってしまったんだろうと思います。
父ブッシュは、戦争の加減を知っていました。外形的にはイラクの方が先に手を出した機会をとらえて、電撃作戦でクウェートを取り戻した後は静観。しかし息子の方は、歴史が語るとおり、やらかしてしまいましたね。
映画の中では、この息子ブッシュの役が非常によい出来で、いやーつくづくあんな人が世界最高の権力を握ってたとはなあ・・と思わせるに十分な感じを出してました。
もちろん、主役であるチェイニー役のクリスチャン・ベールも出色の出来。平凡で鈍重な顔の裏に隠された執念のようなものが、歳と共に次第に表に出てきて、権力者の相になっていく過程を、じっくり見せてくれます。
ラムズフェルドが、あの世紀の愚行の主犯格だと思っていたけど、チェイニーも負けず劣らず、というのも初めて知りました。
でもよくわからないのは、この人はチキンでもあるみたいなんですね。心臓が弱いので兵役忌避はまあ仕方がないにしても。そういう人達が権力を握ってしまうと、どういうことが起きるか、についても、格好の事例かもしれません。他人を脅したり虐げたりしないと安心できないんでしょうか。
ともあれ、9.11が転機ではありました。日本でいえば3.11みたいなもので、あんなことが起きてしまったら、誰が当事者であっても変調は避けられない。
なんだかあの時代からずいぶん遠くへ来てしまったような気がします。
そんな感じ。