「スマホを落としただけなのに」
多要素認証くらいはやっておきましょうね、で片付きそうな話ではあるんだけど。
終局へ向かうにつれて、だんだんドラマ要素の方が強くなってきて、スマホに絡んだ特徴的な色合いは薄くなる。
そのドラマはというと、またかという感じで、隠された女の過去やら、子供のころ親から受けた虐待やら、お馴染みの顔ぶれ。お馴染みといえば、主人公は広告代理店勤務。なんでしょうかねこのワンパターンは。
と、一応くさしてはみるものの、結末はなかなかいい具合。
女への不信感を拭い切れない男が、彼女の本当の気持ちに気付く手がかりもまたスマホだったと。しかもそこに、スマホならではの必然が感じられて、納まりがよい。初めのころに、彼女が何気なく口にしたスマホの良い点が、最後になって、大きな意味を持って生きてくる。
スマホの危険なところ、恐ろしい落とし穴にさんざんな目にあった後だけに、この結び方はとても効果的です。上手いじゃないですか。
このオチだけで、見てよかったなと思えました。