「ボーダーライン:ソルジャーズ・デイ」
はじめ、メキシコ国境を米軍仕様の装甲車が無許可で越えていって、しかもメキシコ国内の砂漠地帯の道路でロケット弾まで使った派手な銃撃戦の挙句、メキシコ警官を、いくら麻薬カルテルの内通者がいるからといっても、関係なさそうな普通の警官含めて何十人もあっさり射殺していくのは、さすがに荒唐無稽なんじゃないのと思っていたら、やっぱり普通に無理筋だったようで、政治家からストップ。
そりゃそうだわ、と納得しつつ安心した。異次元のB級ガンマン映画ではないようだ。
で、そのあとの展開はもう行き当たりばったりというか、これ、製作途中で何かあって脚本書き換えたんじゃないの、くらいの出来上がり。
それに、やっぱりボーダーラインという邦題は、ちょっとはずしてる。
原題通りにシカリオ(Sicario:暗殺者の意)なら、一応内容にフィットするのだが。
それでも前作はまだ、国境の麻薬取引絡みの話が中心にあったけれど、本作はもう完全にそこから逸脱しているように見える。
元検事の殺し屋は、どうやら仲間というか後継者を育成することにしたみたいだし。
つまるところ、これはリアルな(かどうかは知らないけれど)銃撃戦を見せたい作品だ、というのが正しい評価なのではないか。ほかの要素はそのためのお膳立てに過ぎないというわけだ。
それはそれで、悪くない。
下手にイケメン俳優なんか使わずに、ベニチオ・デル・トロを充てているのも大正解だし。w