「サーチ」
これは画期的な作品かもしれない。
ネットはいまでは生活に根を張ったインフラになっているけれど、それが映画作品の中でこれほど自然に表現されたのは初めてではないか。
出だしで、家族の自分史を、PCのローカルファイルからネット上のアルバムへと移ろいながら見せていく掴みの部分などは、PCとネットの発展の歴史に重ねながら物語の背景説明になっていて、うまい。これで抵抗なく作品世界に入れました。
そのあとも、ネットあるあるが次から次へと表れて、SNSを巡る様々な今風の課題も浮き彫りにされてリアリティ十分。
それでいて、ネットオタクな方向へ流されずに、父親が娘を思う心情が基本にあり続けるところが好感が持てます。最後に明かされる、母親が息子を思う気持ちと対になっているところなども、脚本のうまさを感じさせてにくい。