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2018.09.21

「愛しのアイリーン」

新井英樹の漫画が原作だそう。読んだことはないが、きっと暑苦しいパワーのある作品なんだろう。

映画の方も、そういうパワーは十分発揮されていて、剥き出しで押し寄せてくる。愛?何じゃそれは。という感じで。

気取ったところがない、というのは普通は称賛の言葉のはずだが、ここでは何というか、のっぴきならない、という感じになる。つまり、それだけ普段は無意識に目を逸らしている真実に近い、ということなんだろう。私には田舎というものがないから、地方の農村の現状がどう変化してきているのかはわからないが。

常夏の国の天然元気な娘が、厳しい冬を集団の規律で乗り越えてきた四季と陰影のある国へ金のつながりでやってきた末の、なんとも言いようのない苦い結末。

少し硬く言うと、異なる民族や部族が混交していく取っ掛かりと葛藤と見ることもできる。原作ではそのようなエピローグになっているそうだ。

褒められないが、ある種、真実に肉薄している強烈な作品。

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