「秒速5センチメートル」+「詩季織々」
秒速5センチメンタル!
いいなあ。こういうおセンチな映画好きですわ。
すれ違い、行き違いで、本当は好きあっている二人の軌跡が離れていってしまう切なさ。取り返しのつかない後悔。
10年前の「秒速・・」の方は、すれ違ったままでほんのり苦い味わいだけど、それにインスパイアされて中国の監督さんが作った「詩季織々」の方は、最後に再開の喜びが待っている。これもいいなあ。
上映後に、監督の易さんと日本側の制作会社代表の川口さんの対談があって、二度おいしかった。
中国における衣食住交の話とか、上海での石庫門のブランドイメージとか、そこのネイティブな住民と引っ越してきた新住民との区別とか、日本人の目で映画を見ただけでは気が付かない話があって、とてもよかった。
なんだか、まさに彼らはいま、我々の昭和高度成長と似たような軌跡を辿って、その終盤に来ているんだなあ、ということがじんわり伝わってきました。
そして、その規模の違いも。
いろいろ、政治的なやり口をメディアを通じて聞かされると、中国嫌いになりそうだけど、こうして普通の中国の人の話を聞いて、その作品や仕事を見る機会が多くなれば、また違った印象になっていくだろうな。
そうありたい。
とても有意義な作品でした。