「タリーと私の秘密の時間」
子育てってほんとたいへんなんだな。特に乳幼児は昼も夜も片時も手が離せないみたいだし。
んで、ナニーを雇うほど経済的に恵まれていない専業主婦が、子育てに奮闘するお話なんだけど、シャーリーズ・セロンがもうやりすぎなくらい役をつくっていて、その惨めさをこれでもかと見せてくれるのが前半。
ところが打って変わって後半は、子守りを雇ったことで、その同じ子育てが、素晴らしいものとして描かれている。セロン様、こんどは光り輝いています。
どういう変化なのか。
ネタは途中で察しがついたけれど、子守のおかげで、気の持ちようがかわったということだろう。そういうと悪しき精神主義のように聞こえるがまさにそうで、限界に達したところで、このお話は締めくくりを迎える。
男ってほんとだめ。というのが、まあ結論といえばそう。
少しは反省しましょう。
でも、この作品の良さは、そういう定型部分なのではなくて、子守が来てからの、子供たちとのかけがえのない楽しい時間の過ごし方を見せるところにある。詩情豊かな、という言葉がふさわしい至福の時間。苦労も多いけれど、決して忘れることのない幸せを、たっぷり見せてくれます。
時流に則った良作。
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