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2018.08.19

「2重螺旋の恋人」

フランソワ・オゾンの久しぶりの作品。相変わらず構成的によくできていて、隙がないというか。おフランスの映画ですから、エロとかもう一歩踏み込んで今回変態的なしーんなどもあります。「17歳」のマリーヌ・ヴァクトさんなら難なく演じてしまいますが、まあすんごい。子供には見せられません。

でもそういうお下品な興味以上に、本作でそそられるのは、愛ってなんだろうという点です。特に、見た目と中身との関係はどうなんだろう、とか表向きの綺麗なところと、それと表裏一体の剥き出しの○○とかそういったあたりの関係はどうなんだろうとか、みたいな話です。双子をうまく使って、その問題に深く深~く迫ります。

単にその間の関係を描くだけでなく、同時に弱肉強食の人の業みたいな話まで絡めて、見ている方は結構引き回されて疲れます。

こんなややこしい事を扱っていながら、まったく破綻の予感すらさせない話の運び、やっぱりこの監督は凄いの一言です。ま、ピストル撃っちゃった結果についてはスルーしているのは、日本人的な感覚とは少し違いますかね。でも特に違和感はないですが。

すべてが収まってハッピーエンドなのかと思ったら、最後のシーン。強烈過ぎるでしょう。やっぱり人は自らの業から逃れることはできなんでしょうか。

もう勘弁してほしい、お腹一杯になる作品でした。

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