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July 2018

2018.07.27

「ゴースト・ストーリーズ 英国幽霊奇談」

夏だし、やっぱりお化けよね。
で、この作品に出てくるお化けは、どれも因果応報が形を成したもの。人間とは一応無関係に存在する妖怪などとは違う。

原因がその人それぞれの後悔の念だから、その人にとっては実在するといえばそうだし、他の人にとっては実在などしない。

ただまあ、長い人生の中で、誰しも似たような後ろめたい気持ちのひとつやふたつはあるものだから、共感できなくはない。

小さい困難から逃げるとより大きな困難が待っている、ということを暗示している作品でした。

そうそう。アレックス・ロウザーがとてもよかった。
彼が表現している、「怖くて気が狂いそう」な感じは絶品。

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2018.07.21

「未来のミライ」

これはすごく良い作品。傑作というのとは少し方向が違う感じなのだけれど、超良い。

こどもをすごくよく観察している。
こどもが大人に一歩近づくってこういうことなんだということを、具体的に描いている。なかなか簡単には大人になれないところも。かわいい。

イマジネーションが豊か。
くんちゃんは、いろいろな世界を遍歴するのだけど、それぞれの世界が、なんといえばいいのか、豊か、としか言いようがない。

生身がはじけている感じ。
最初にみらいちゃんがやってきて、いうことを聞かないくんちゃんをくすぐり攻めにするときの、くんちゃんの反応とか、まさにこうだよなこどもって。たぶん実体験。


作品はすべて、幼いこどもの心象風景なんだけど、艶っぽさがあったり、真剣さがあったり、笑いがあったり。
いろいろな体験を積んで、くんちゃん、きっといい大人になるなと予感させる良さが全体に漲っている。そう、漲っている感じ、そこがすごくいい。
理屈じゃなく、こどもが持っている、汲めども尽きない香りのいいエネルギーが充満している。

超良いです。
見ると元気がでる。
自然に笑顔になる。

細野守、またまた凄い作品を作ってくれました。

そうそう、おかあさんの声が麻生久美子だ。
これ大事w

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「クレアのカメラ」

このホン・サンスという人は世の中的にどういう評価を受けているのか知らないのだけど、私とはかなり相性が悪そうだ。

先日の「それから」は途中で劇場を出てしまったし、本作は途中で寝てしまいました。

とても東京のど真ん中で映画館に掛けるような質とは思えない。
台詞はくだらない、ストーリーはつまらない、役者は実力を出せていない、映像の構図もつまらない、見るべきところがない。

韓国の人にとっては何か訴えるものがあるのだろうか。

なんだかお金と時間がもったいない気になりました。
まあ、たまには仕方がないけどね。

ヒューマントラストの作品選びはそれなりに信用してたのだけど、どうもこれはなあ。

なんか予算的に苦しいんかなあ。

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2018.07.13

「ジュラシック・ワールド/炎の王国」

やっぱり恐竜映画の醍醐味は恐怖だよね。

一作目では、ベールに包まれた彼らの影と、それが露わになった時の絶対の恐怖が最高によかった。

その後、人間は学習して、恐竜の恐怖はだいぶ薄まってしまったのが、シリーズがつまらなくなった理由だと思う。理解できない恐怖、理不尽に食われる恐怖は後退して、下手な人間ドラマが前に出てきてしまった。

けれども本作では、その恐怖が多少復活した。

ステレオタイプの傭兵の老人が出てくるのだが、彼が傲慢の報いとして食われる直前に見せる表情は、結構いい。この瞬間の演技が、どいつもこいつも物足りないのがシリーズ続編群の難点だったけど、この老兵はそこをちゃんと見せてくれた。

全体のバランスもそこそこいい。まあまあの仕上がりでした。

でもこの終わり方は・・・猿の惑星にでもするつもりなんですかねw

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2018.07.01

「ウィンチェスターハウス アメリカで最も呪われた屋敷」

このハウス、実在してるというから驚き。
実際に、38年間立て続けたらしい。そして今も立っている。
まあ、金がありあまると、人間いろんなことを考え出すものなんだな。

映画の方は、実話を元にしながらも、怖くて哀しい、いいお話になっている。単に怖がらせるだけのホラー映画とは一線を画している良作。

建設工事の長さでは、横浜駅もそのうちこれを超えると思うけど、あれは一体何を鎮めるためなんだろw

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「女と男の観覧車」

こういうのを老成っていうのでしょうかね。
ウッディ・アレン見事ですわ。
何も足すものがない。何も引くものがない。

今年はここまで、「スリービルボード」と「万引き家族」あたりがベスト5入りだったけど、本作も間違いなく入ります。

甘くもなく辛辣でもなく、真実をぴったり捉えていて。

いいよなあこういう映画。

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「ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー」

これが米国であまり受けなかった理由はよくわかる。神話ではないからだ。

「スター・ウォーズ」は製作者も言うように、空想異世界の神話を目指していて、その点で成功している。本作には、その空気はほとんどない。だから、このシリーズは神話でなければならないと刷り込まれているスターウォーズ愛に溢れたファン層には、これは違うと受け止められても仕方がない。

しかし一方で、「スター・ウォーズ」には、SciFi冒険活劇というもうひとつの柱がある。神話的空気だけだったらこれほど世界中で受け入れられることはなかっただろう。本作は、そこを正しく受け継いで、はるかに超えている。単にCG映像技術だけでなく、俳優の動きや演出の点でも一級だろう。まあヒーロー効果の嘘臭さだけは、お約束だから仕方がない(笑)。

そしてハン・ソロというキャラクタ。少年の純情と大人の狡猾がないまぜになった魅力的なキャラクタが、本作では生き生きと描かれている。彼の欠点である戦略の欠如と一緒に。

そう、戦略の欠如こそが実は、本作、あるいは類似の数多の作品の最大の魅力なのかもしれない。行き当たりばったり出たとこ勝負の愉快痛快な生き様。それが破天荒な展開の末にう・ま・く・い・っ・て・し・ま・う。本作は、現実にはあり得ないストーリーを描くという、娯楽作品の基本を忠実に踏んでいるのだ。素晴らしい。

ハン・ソロの数々の欠点を補う相棒役もぴったりはまっている。チューバッカはもちろんだが、ベケットとキーラもいい味。ベケットの方は、若いソロの未来の姿のひとつを示しているし、キーラの方は、ソロに足りない大人の部分を表している。

彼女から見れば、ソロは、世の現実も生き延びる戦略も知らないガキだ。男の援けなど必要とせず自力で自分の地位を築いてきた。にも拘わらずソロの奔放に惹かれている。そこに生まれる葛藤と悲哀こそが、本作の真髄と言っていいでしょう。
女って大人だなあ。


スターウォーズという枠に拘らず、素直に楽しめる一級品でした。

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