「レディ・バード」
ここしばらく私的いち押し女優のシアーシャ・ローナン。健康で芯が強くて素直な感じがとてもよいです。
その彼女が本作ではDQNのJKですよ!
なんですかこの取り合わせは。すんごくよく似合ってます。
まあ、DQNというのは言い過ぎで、いつも居場所を探して活動的な、よくある若者像なんですけどね。見てみるとよいのですよこれが。
有名な若手女優さん主演のこの種の青春映画は、それぞれの個性を引き立たせる物語が用意されていてうれしいです。
本作で、最後に彼女は、自分で考案した「レディ・バード」を名乗るのをやめ、ごく自然に等身大の一人の若者として、親が大切に付けてくれた名前を名乗って一歩を踏み出すのですが、それがとても似合っていてよいです。有名人にありがちな病的なイメージが全くない。
そこがたぶん彼女の最大の長所で、大女優とか言うありきたりな評価を弾き返すような健全さがあります。日本の女優さんでいうと麻生久美子みたいな、親しみやすくて普通に見えるのに、実力は凄いっていう。
彼女の役柄の周囲の人々も普通に陰影があってよいです。
たいへん満足いたしました。
でもアカデミー賞的な作品かといわれると、ちょっと違うかなとも思いますが。
シアーシャ・ローナンに賞を取らせるため、というなら納得でございます。